アフリカの国境に直線が多いわけ

2016/02/17

世界地図を見るとヨーロッパやアジア、南アメリカの国境はやけに入り組んでいる。それに比べアフリカの国境は直線が目につく。
このようにアフリカ大陸が直線で分割されているのは便宜的に国境が引かれてしまったからだ。

イギリス、ドイツ、フランスなどのヨーロッパ列強が次々とアフィルカに侵入していった19世紀、彼らは勝手に分割協定を結んだ。

1884年から1985年にかけて中央アフリカを分割するコンゴ盆地条約が結ばれるが、国境は直線によって分割された。
フランスがマダガスカルを取得。そしてイギリスとドイツは大陸の中央に直線を1本引いて、その南北を分割したのである。

おかげで部族が分断されたり、別の部族と一緒になったりという不自然な状況が生まれてしまった。
これは植民地が独立する際、統一国家への大きな障害となり「50の国家に900民族の存在」はいまでも各地で争いを引き起こしている。

公用語を2にせざるを得なかった国

アフリカ大陸の西側、ギニア湾に面したカメルーンは英語とフランス語を公用語としている。

カメルーンは第1次世界大戦後、東部をフランス、西部をイギリスが支配していた。
その後1960年にフランス領が独立、続いてイギリス領が独立するが、この際旧英領のナイジェリアと旧仏領カメルーンのどちらに帰属するかで住民投票が行われ、カメルーンが選ばれた。

このときすでにフランス語を公用語としたカメルーンは旧英領との融和を図るため、英語も公用語に採用。共和国となった現在も当時のまま2つの公用語を使用している。

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