ナイルの賜物の今昔

ギリシャの歴史家ヘロドトスは「エジプトはナイルの賜物である」と言った。

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ナイル川が形成した大デルタ地帯は砂漠の中にあって唯一緑が広がる地帯だ。人々はナイル川沿いに農耕地を拓き、川の水と氾濫でもたらされる肥料で作物を栽培してきた。

やがて20世紀に入ると、エジプトを領地としていたイギリスが綿花生産のため灌漑用ににアスワンダムを建設。さらにエジプトが独立すると食糧問題を解決するためにアスワン・ハイダムを建設した。その結果、食糧問題は解決。
しかし、天然の肥料はダムでせき止められて供給されなくなった。
また定期的な洪水がなくなったために表土の塩分が洗い流されず、塩害も進行した。

ナイルの賜物を自らの手で失ったエジプト。
自然とのつきあい方は難しい。

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